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第1期 第19回医鍼連携研修

第1期 第19回医鍼連携研修を下記要領にて開催しました。
日時:2020年2月16日(日) 受付開始 9:10
場所:東京大学医学部附属病院 中央診療棟2 7階中会議室

カリキュラム

  • 現代医学 : 画像検査の基礎(CT/MRI)

臨床実技(模擬治療)

  • 中医鍼灸:自律神経疾患(異病同治)
  • 経絡治療:婦人科疾患・不妊症
  • 現代鍼灸:眼科症状(眼精疲労、眼圧上昇、涙腺分泌低下)

現代医学

現代医学 講義風景
現代医学 講義風景

X線、CT、MRI等の、歴史・概要・仕組み、正常画像と異常画像の見分け方を学ぶ、盛りだくさんな内容となりました。

X線の手の画像において見るべき点は、骨の配置、軟部組織の腫脹や石灰化、骨の密度、関節裂隙狭小化、罹患関節の分布とし、それぞれに疾患を例に挙げて、正常な解剖とどのように異なるかを学びました。

CTはその仕組みから、撮影後に任意の断面で再構成可能で3Dとして見ることができます。脳出血の画像はとてもわかりやすいものの、脳梗塞は直後では殆ど診断がつかないなどの限界があることを、頭部CT画像例を見ながら説明していただきました。

MRIについても仕組みを理解してから様々な画像を見ました。こちらは椎間板や脊髄が見やすく、CTでは不明瞭だった脳梗塞の様子がしっかりと見られました。一方、骨に関してはCTよりも不適当であるなど、それぞれの得手・不得手な分野を教えていただきました。

他、MRA、造影CT、X線造影剤、ERCPとMRCPの講義があり、多種類の画像を解説していただきました。

中医鍼灸

中医鍼灸 模擬治療風景
中医鍼灸 模擬治療風景

まず最初に、前回モートン病の模擬治療を受けた研修生2名からしびれ・痛みの経過報告から始まり、今回のテーマである自律神経疾患の講義に入りました。

なぜ病になるのかを大きく分類した場合、経絡阻滞(痛み・血行不良)、陰陽不和(自律神経の乱れ)、正気不足・邪気旺盛に大別できるそうです。

この中で、自律神経疾患は「陰陽不和」の状態であり、「陰陽調和」することが治療方針となります。陰陽・虚実の状態に対応する治療法の説明に続いて、腎虚証の自律神経失調症と、肝の変動による自律神経疾患の機序と症状の解説がありました。

後半は模擬治療です。1人目は、更年期症状の治療でした。足の寒熱、太渓の状態などから下半身の状態を観察し、舌脈診から上半身の状態を診察し、腎虚証と見立て治療が実施されました。
2人目は、前日に急性腰痛になった研修生の治療でした。臥位になることができず、座位および支えのある立位で、中封、腰腿点、腰部局所に刺鍼しました。諸説ある腰腿点の取り方や刺法を解説していただきながらの治療となりました。

経絡治療

経絡治療 講義風景
経絡治療 講義風景

今回のテーマは不妊治療および婦人科疾患でした。

経絡治療では、婦人科疾患を肝、腎・命門の病態と考えます。
生理痛、PMS、器質的病変などは「肝血の病態」、ストレスが関与している「肝怒の病態」、冷えが関与している「腎精の問題」という、3タイプの機序と特徴、本治と標治の解説がありました。
また、子宮内膜症、チョコレート嚢腫、子宮筋腫等の所見や標治も学びました。

不妊治療については、研修生から紙面により、高度生殖医療を併用した鍼灸治療について、治療法やリスクなど、相澤先生の見解を求める質問がありました。生殖医療の周期がまとめられた表をシェアし、先生より解説が加えられる形で講義が進められ、質問への回答がありました。人工授精・体外受精の直前の施術ではなく、継続的に行い妊娠環境の整備するのが鍼灸でできることである、とのことでした。

模擬治療1人目は子宮筋腫の研修生で、持参した画像をモニターで見ながら解説があり、筋腫の触診の仕方を教えていただいたのちに、標治を実施しました。2人目はPMSの研修生でした。脈診・腹診をPMSの解説をしていただいたのちに、標治を実施しました。

現代鍼灸

現代鍼灸 実技風景
現代鍼灸 実技風景

今月は眼科疾患に対する鍼灸です。眼の解剖や疾病の概要、病態からの分類(視力低下、ドライアイ、眼圧上昇、眼精疲労)、鍼灸の効果からの分類(眼血流改善、毛様体筋の機能向上、涙腺分泌亢進)の解説がありました。

病態分類別の解説においては、鍼灸による効果に関するエビデンスがそれぞれ紹介されました。

  • 視力低下の解説…合谷穴へ刺鍼後にランドルト環を用いた自覚的視力検査を実施しその効果を検証した結果や、鍼刺激による脈絡膜血流の変化、等
  • ドライアイ…ドライアイチェック項目、涙の分泌の仕組みから言える治療の際のコツ、ドライアイに対する鍼刺激の前後での乾燥スコアの変化等について
  • 眼圧上昇…緑内障における鍼灸治療の実際、OAG(開放隅角緑内障)では点眼と併用で鍼治療を行うことで治療に役立つ可能性について

講義に引き続き、ドライアイ、飛蚊症などの眼症状を持つ研修生への模擬治療です。触診では下関、眼窩、側頭筋のほか、下腿や頸部の圧痛点等の確認もあり、刺鍼する経穴の取り方と深さを解説しながらの刺鍼となりました。その後、研修生ペアで刺鍼実習を行いました。