· 

第2期 第4回医鍼連携研修

第2期 第4回医鍼連携研修を下記要領にて開催しました。
会場:東京大学医学部附属病院 中央診療棟2 7階大会議室
日時:2019年9月15日(日)9:30~16:50

カリキュラム:

  • 臨床各論共通テーマ…腰下肢痛
  • 東洋医学的な考え方についての系統的な講義…中医鍼灸 蔵象、経絡治療 証の種類、内容

現代医学

現代医学
現代医学

股関節周辺の痛みのキーワードは「前、横、後ろ の3つに分けて考えろ!」でした。(股関節の痛みは前に出ることが多く、横は大転子、後ろは腰が要因の場合が多い。)

身体所見については、ペア組で徒手検査法を確認、変形性股関節症は内旋での感度が高い等を学びました。
Red flagの解説では、痛みの部位別(前、横、後ろ)に疾患の鑑別ポイントが説明され、いくつかの疾患での鍼治療の有効性についてのコメントがありました。

症例の中で、ブロック注射の際の消毒不十分で重症感染症を起こした例の紹介があり、部位的にも消毒が大切であるとの注意喚起がありました。
最後に、エコーを使って股関節周りの内部構造を確認しました。

現代鍼灸

現代鍼灸
現代鍼灸

脊柱管狭窄症は腰部脊柱管の狭窄による馬尾・神経根の圧迫に神経内の血流障害が加わることで症状が出現するため、鍼治療で神経内の血流改善をすると症状改善の効果が得られるという説明がされました。

薬物、運動、鍼治療の3群比較でも、鍼治療が他に比べ優位に重症度や身体機能の改善が得られ、満足度も高かったという研究結果が紹介されました。

実技では、末梢神経へのアプローチとして深腓骨神経と浅腓骨神経が支配する長短腓骨筋に刺鍼を行い、パルスで足関節の外反を確認、また、術後に残存する痺れに対し、足底部の固有感覚受容器が多い内在筋に灸刺激を行いました。足底の痺れ感の軽減に伴い体幹バランスも改善され、安定歩行に導くことができるということでした。

中医鍼灸

中医鍼灸
中医鍼灸

下肢痛は面(前・内・外・後)の見極めが重要、坐骨神経痛は現代鍼灸的に坐骨神経の走行上に取穴するものが多いが、裏風市や陰陵泉も使うという説明がありました。股関節痛については、「上下左右陰陽交叉取穴法」(右股関節痛の場合、左肩の肩貞~臑兪の反応点に刺鍼して運動鍼)の紹介がありました。

経筋図で、股関節に絡む治療穴の経筋イメージについて説明があった後、実技(懸鐘・殿圧・坐骨・殷門・裏風市・肩後面への刺鍼)となりました。

総論は、虚証と実証の違い、病因論、病因の六淫(陽邪・陰邪)のルート、病因の内傷について、気血津液の病証、内生五邪、病因弁証、治法と配穴、これらをまとめた「証マップ」の紹介と盛りだくさんな内容でした。

経絡治療

経絡治療
経絡治療

坐骨神経痛の多くを占める末梢神経型について、所見のとり方(線状の硬結の見つけ方=診断は下流から上流へ)、治療法(治療は上流から下流へ、適切な治療をすると痛み痺れの部位は動く)について講義があり、続いて、神経・血管を絞扼している筋硬結を緩める施術として運動鍼の実技を行いました。

総論は「証の種類と内容」でした。病理の四分論と二分論は病伝で大きな違いが出ること、原理が違うので混ぜて治療しないこと、四分論(68難本治法)の方がフレキシブルである、という説明があった後、四分論の基本四証の例外として①実証=陽実証(外感病)・陰実証(肝実証(瘀血))②原穴治療③腎精の強化④自律神経失調症の解説がありました。